浄土真宗で用いられる念珠について

仏様にお参りする時に、念珠を手にかけてお参りします。

浄土真宗の中興の祖・蓮如上人は、

“念珠を持たずにお参りするのは、仏様を手づかみにすることになる”

と仰っています。それは仏様にとても失礼なことですよね。

 

珠数の一連をも持つ人なし。
さるほどに仏をば手把にこそせられたり。
(蓮如上人『御文章』)

 

念珠は、もともとは称えた念仏を数える仏具でした。

浄土真宗では「信心」を表します。

 

念珠の珠は、煩悩を表します。
「煩悩」とは、私を煩わせ悩ませるもので、各人に108つあり、中でも代表的なのが、欲・怒り・愚痴の三毒の煩悩です。

それらの珠をまとめている糸が、信心を表しています。

珠はそのままではバラバラで収拾がつきませんが、糸が通るときれいにまとまります。

108つの煩悩も、他力信心の糸が貫いて初めて、苦悩が喜びに転じ変わります。
私たちを煩わせ悩ませる煩悩がそのまま、喜びのタネとなります。

まことの信心を獲ると、煩悩即菩提の世界に救われるのです。

念珠は、畳や床の上に直接置くなど粗末に扱わないようにしましょう。

 

 

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