出来ることから実践

浄土真宗の住職、門徒総代として、聴聞、勤行はもちろん、日常生活の中で出来ることを積極的に実践していきましょう。

実践といっても、それは、仏教でお釈迦様が私たちに教え勧めてくださっていることの実践にほかなりません。

 

お釈迦様は、私たちに善を勧めておられます。

中でも、いつでも誰にでも出来る布施行について、ここで紹介したいと思います。

 

お釈迦様の説かれた無財の七施とは

お釈迦様の説かれた無財の七施について解説しましょう。すぐにでも実践できますし、御門徒の皆さんも喜ばれることでしょう。


気持ちさえあれば、どんな人でもできる善の実践を教えられたのが、『雑宝蔵経』に説かれている有名な「無財の七施」です。

 

  1. 眼施(げんせ)
  2. 和顔悦色施(わげんえっしょくせ)
  3. 言辞施(ごんじせ)
  4. 身施(しんせ)
  5. 心施(しんせ)
  6. 床座施(しょうざせ)
  7. 房舎施(ぼうしゃせ)

 

の7つの善です。順番に説明していきましょう。

1.眼施(げんせ)

眼施とは、優しいあたたかいまなざしで周囲の人々の心を明るくするように努めることです。
「目は口よりもものを言う」
 とか
「目は心の鏡」
ともいわれるように、人間の目ぐらい複雑な色合いを映し出すものはないでしょう。

その目にたたえられた和やかな光が、人々の傷ついた心を慰め励ますに違いありません。

特に過ちを犯して悲嘆に暮れている人には、更生への愛撫となるでしょう。


2.和顔悦色施(わげんえっしょくせ)

和顔悦色施とは、優しい笑顔で人に接することをいいます。
心からの美しい笑顔こそ、まさに人生の花。
純粋無垢な笑顔に接する時、人は一瞬、人生の苦労を忘れ、生きがいさえ感じます。
笑顔は周囲全体を和ませ、トゲトゲしい対人関係をスムーズにします。

 

3.言辞施(ごんじせ)

言辞施は、優しい言葉をかけるように努めることです。
心からの優しい言葉はどんなに相手を喜ばせるか、計り知れないものがあります。

 

4.身施(しんせ)

身施は肉体を使って人のため、社会のために働くことです。
いわゆる無料奉仕することです。

 

5.心施(しんせ)

心施とは、心から感謝の言葉を述べるようにすることです。
「ありがとう」
「すみません」
たった5字の音声ですが、この世の中をどんなにか住みよく明るくすることでしょう。努めて使うようにしたいですね。


6.床座施(しょうざせ)

床座施は、場所や席を譲り合う親切をいいます。

乗り物の座席の取り合いから、権力の座の争奪に至るまで、今日の世相を見てもいかに床座施が必要かがわかります。

少しでもこの床座施があれば、この世はどんなに素晴らしく気持ちよく変わることでしょう。

 

7.房舎施(ぼうしゃせ)

房舎施は、求める人、尋ねて来る人があれば一宿一飯の施しを与え、その労をねぎらう親切をいいます。

 

心掛けさえあれば、どんな人でも、いつでもどこでもできる善です。

 

住職や門徒総代から笑顔や挨拶の実践に努め、思いやりをもって接するようにすれば、必ず喜ばれ、聞法に足を運ばれるご縁になることでしょう。

 

また、御門徒に手本を示すのが住職であり、門徒総代ですから、自ら率先垂範して、実践していきたいものですね。

 

御門徒の方々に伝えるべき浄土真宗の教えについては、このサイトでも学べるようになっています。ぜひご参照ください。

 

>> これだけは知っておきたい浄土真宗の教え